ワインの価格と品質

ワインの価格はほんとにわからなくなってしまいますよね。

通常の商品と同じように原価計算から導き出された価格によって生産者価格が決まり、そこに流通価格が上乗せされて小売価格を形成するとお考えいただいて良いのですが、そこは通常の商品との特性の違いがありますから単純じゃなくなってきてしまうのですね。


まずワインの品質及び味わいを決定づけているのが葡萄の出来です。ワインの品質が葡萄の出来によって大きく左右されることからヴィンテージ(生産年)が大きくクローズアップされます。もちろんそれだけではありませんし、近年はいろいろな技術?が開発されてきて昔ほどヴィンテージの差がなくなってきていますが。


それでは葡萄の品質(ワイン造りにとっての)を向上させるのにはどうすればよいでしょうか。一つ例にとって書きます。1本の葡萄の木につける葡萄の房の数を考えて見ましょう。樹齢の同じ木でAは房が10個、Bの木は房が2個だとします。AとBではどちらの葡萄が良いかは書かなくてもわかりますよね。当然2房しかつけさせなかった方です。

よくワインの説明書きなんかに1ヘクタール当りの収量なんかが書いてありますが、この事を意味していると考えて頂いても良いと思います。これだけでも原価は5倍の差がつくことになります。その他に収穫の際に機械を使うか人の手でやるかとか、熟成に新樽を使うかどうか等などで原価などが決まってくると思います。

ここまでは他の商品と同じだと思います。いかに手をかけたかによって価格が違ってくる。ただしいくら手をかけたからといって良いものが出来るとは限らないですが、味にはしっかり表れると思っています。手をかけた人がどのような気持ちあるいは想いで造っているかです。


伝統的な生産地であるフランスやイタリア、ドイツをはじめとしたヨーロッパでは、各国でワインの品質に関する法律がありいろいろな制約を受けます。先に書いた収量なんかも法律によって規定があるんですよ。

これに対してニューワールドと呼ばれる地域では品質に関する法律は当然あるのですが、もっとわかりやすく納得できる形の法律になっています。


手造りが多い生産方法と機械が多い生産ではおのずと生産価格が変わってきます。これは日本酒や他の商品と同じようにワインも全く同じです。
posted by sakeito | 洋(せいよう)