日本酒の保管の怖さA(2009/06/20)

先日の日本酒講座の時にサンプルとしてわざとその状態に置いたお酒を作りました。どのようなサンプルを作ったかというと日本酒自体のスペックは、使用米:五百万石、精米歩合:55%、種別:純米吟醸、瓶火入、無濾過 になります。

このお酒は、2009年2月に入荷した20B.Y(平成20酒造年度)※の品です。
スペックからは、保管により神経を使わなければならないお酒ということが判ります。そしてどのようなサンプルを出したかというと

1.2月に入荷してから6月7日の朝まで5℃の冷蔵庫にて保管した品
2.2月に入荷してから6月7日の朝まで冷暗所(当然温度変化あり)に保管した品

3.2のお酒を6月1日に明るいテーブルの上(直射日光は当たらないが蛍光灯の明かりは当たる)に6月7日の朝まで置いた品。
4.2のお酒を6月1日に出窓(直射日光が当たる)に6月7日の朝まで置いた品。

以上の4点を比較試飲していただいたのです。

ここで書きたいのは、このような状態で置いたのが1週間ほどにすぎないという事です。参加した方も試飲されてとても驚いていらっしゃったみたいですが、ほんとに違うんです。

特に4番のお酒は、ほんとにひどい状態になっていて、このお酒を美味しいと感じた人はいらっしゃらなかったです。3番のお酒も1.2番からするとだいぶ違いが出たと思います。

1番と2番のお酒は、それぞれ持ち味が出た個人の好みで分かれる味わいでとても良い感じでしたが、3番と4番は好みという範疇ではなく1・2番に比べてはっきりと劣化しているとわかる味わいになっていました。

4番は当然として3番が想像以上に状態が良くなかったのには私自身もびっくりしました。酒質からある程度は予想していましたが想像以上に状態が悪くなっていました。

たった1週間ほどでこの状態ですから前回のブログで書いたように2ヶ月ならばどのようになるかは想像しただけでも恐ろしいです。ただし、このことはお酒の質にも大きく関係するので一概に言えないことがあるので難しいのですが・・・・・

※平成20酒造年度(20B.Y):平成20年7月1日〜平成21年6月30日までの間に製造されたお酒をあらわします。

次回に続きます。
posted by sakeito | 識(しる)