日本酒の保管の怖さC(2009/06/25)

前回1と2のお酒に多くのヒントが隠されていると書きましたが、その前に意外に劣化を感じた3のお酒について書いておきたいと思います。正直ここまでの変化を見せるとは思っていませんでした。そこで今回「日本酒の保管の怖さ」という表題で書き始めたのです。

ちょうど置いた場所は、日がさす居間のテーブルの上と同じような所に1週間置きっぱなしにした状態ですので、結構このようなところに置かれてしまっているお酒は多いのではないでしょうか。

それは店頭でも同じこと。店頭ではもう少し日差しの少ないところでしょうが、蛍光灯の紫外線は意外に当たっているものです。

それも1週間でこの程度ですからもっと長くなればなるほど影響が大きくなるのは書かなくても判りますね。それでは通常流通している火入のお酒はどのようなところに保管すれば良いのでしょうか。

こんなことを書いていくとちょっと構えてしまいますが、そんなことはなく日本酒に対してちょっとした気配りをしていただければよりよい状態で飲めるということです。気配りに対してお酒が応えてくれるというとかっこよすぎかも知れませんが、私はそう考えます。

必ずしも冷蔵庫に入れたから良いのではなく、お酒の種類と飲む時期によっては、冷蔵庫に入れておいたお酒よりもちょっと気配りをして冷暗所の常温に置いたお酒のほうが美味しく感じることが多々あるということです。もちろん冷蔵庫で管理をしたほうがリスクは少なくなりますが・・・・

このシリーズで書いている1と2のお酒がそれに当てはまります。利き酒会のアンケートでも好みは割れましたではすべてのお酒がそうなのかというとこれも違います。お酒によっては逆転していたりすることもあります。

この1と2のお酒を6月までしてきた保管状態で10月までしてから試飲したらどうでしょうか。そうですね全く別の結果になっている可能性があります。

かっこいい言葉を言ってしまえば、今飲んだお酒はこの世の中に同じものは存在しないと言うことが出来ると思います。もちろんこれは日本酒だけでなく食べるもの全般に言えることだと思いますが。日本酒は、繊細なお酒ということが出来ると思います。そんな繊細なお酒を形作ってきたのが日本人なのだと思います。
posted by sakeito | 識(しる)