B.Y(酒造年度)表記 その2

Qお宅のお店では「18B.Y」とか「17B.Y」というようなシールが貼られていますがこれは何ですか。
と御質問を頂きました。

Aその表記は数字の部分は平成○○年を意味します。「18B.Y」であれば平成18年をの事です。BはBrewer(醸造)、YはYear(年)の事で、いわゆる醸造年度を意味します。したがって「18B.Y」は平成18酒造年度という事を表しています。

ただちょっと紛らわしいのが、酒造年度の区切り方で、酒造年度は、毎年7月1日〜翌6月30日となります。したがって「18B.Y」は平成18年7月1日から平成19年6月30日の間に醸造されたお酒ということになります。

大手の四季醸造(年中酒造りをしている)を除くとほとんどの蔵が冬期間だけに酒造りを行う寒造りをしています。したがって「18B.Y」のお酒は、ほとんどが平成18年11月頃から平成19年4月頃までの間に醸造されたお酒という事になります。

では、なぜこの表記をするのでしょうか。お酒にはラベルに必ず記載しなければならない表記があります。・酒名・原材料名・製造年月・製造者の名称と所在地・容器の容量・アルコール分・種別(清酒、日本酒)・未成年者への警告文章です。その他に特定名称酒(本醸造・純米酒・吟醸酒等)に関しては使用米の精米歩合も表記することになっています。

この中で今回取り上げるのは「製造年月」ですが、この「製造年月」お酒の場合は通常の食品とちょっとした違いがあります。通常食品であれば実際に作った年月を表記しますが、お酒の場合は瓶詰めした年月あるいは蔵から出荷した年月を書くことになっています。

通常の食品と違うのは、お酒の特性に由来するものなのでこれが悪いとかおかしいということは全くありません。しかし、お酒を飲む上で中に入っているお酒が実際いつ造られたものであるかは非常に重要になってくるのです。いわゆる熟成という点においてです。

だから当店では、単一年のお酒だけが詰まっているお酒にはこの表記をしています。もちろんスタンダードクラス(普通酒など)のお酒などのように蔵によっては味わいの変化を少なくする為に醸造年度の違うお酒をブレンドする事があります。またこのブレンドを求める酒質にするために行う事もあります。これも同様に悪いという事ではありませんのであしからず。

現在当店の店頭に出ているお酒は、16B.Y、17B.Y、18B.Yになっています。この辺を参考に飲んでみるのも一つ楽しみが広がるのではないでしょうか。
posted by sakeito | 識(しる)