2002年 越前岬 酒蔵訪問

福井県に有る小さな酒蔵「田辺酒造」へ行って来ました。
造りに入る前の酒蔵の様子ですが、ご紹介します。
「田辺酒造」は、生産石数450石のほんとに小さな酒蔵です。
「越前岬」という銘柄で出しています。田辺社長と鷹木杜氏は、決して表立った華やかさはないが、個性的でありながらじっくりと付き合っていけるお酒造りを目指しています。

越前岬全景

sub4_01.jpg正面から見た酒蔵の全景です。北陸自動車道福井北インターから車で20分くらいの所の小さな町のの中にあります。雪の深い地方の旧家を感じさせる重厚な構えで、奥に釜場、仕込蔵、貯蔵蔵、搾り場などがあります。瓶詰め場はこの建物の正面に位置しています。



越前岬甑の和釜

sub4_02.jpgお米を蒸すときに甑をのせる場所です。大、小2つあって造りの違いやお米の蒸す量によって使い分けています。この場所の脇のところに井戸が在って、仕込水を汲み上げています。飲ませていただいたところ、この蔵の仕込水は、後口に若干渋みを感じる硬水系の味わいを持っていて「もろみ」日数も若干眺めとのことでした。



越前岬 仕込蔵

sub4_03.jpgここは、厚さ20cmほどの土壁に囲まれた仕込蔵です。
このおかげで真夏の暑いときでも22℃位までしか気温は上がらないとのこと。昔の人の知恵はすごいなっと感じ入りました。自然の中で呼吸しているお酒にとってはこの上ないものだと思います。
タンクは、すべて小造りに適した大きさで杜氏さんは全て目の届く範囲だろうなという感じです。



越前岬 槽(ふね)

sub4_04.jpg搾り場です。「ふね」と呼ばれる昔ながらの搾り機です。全量この槽で搾っています。連続搾り機と違ってタンクの「もろみ」を酒袋に入れていき、この槽の中に一つずつ横に寝かして行きます。時間と労力が非常にかかる搾り方ですが、味わいに深みが出ます。地下に半分以上入っており温度変化を受けにくく、作業もしやすいだろうなと思いました。



越前岬 田辺社長

sub4_05.jpgちょっとあわてんぼうだけどとても温かみの在る社長です。ちょっと人が良すぎるかも。
これから更に良くなってゆきそうな酒蔵で、2月頃の造りの真っ最中にまたお伺いする予定でいます。
帰ってきたらまたご報告できると思います。
1.8L\1,650からご用意しております。この\1,650の普通本醸造が秀逸です。ぜひ1度試してみてください。
毎日の晩酌に冷やでも燗でも飽きずに召し上がれると思います。