日本酒やワインには、早咲きのものと遅咲きのものがあります。例えば、2種類の同じ日に搾られたお酒を今日開栓したとします。この2種類をAとBにしてみましょう。両方とも搾られてから6ヶ月たっていると仮定します。
今開けて飲んだらAはとっても美味しく感じた、Bはなんかいまいちに感じた。ところが同じもの(開栓したもの)を3日後に飲んだら、Aはいまいち美味しく感じない、Bは前に感じたのが嘘のように美味しく感じた。
こんな時皆さんは、体調の為と思っていたりしませんか。これはお酒自体が変化しているのです。特に日本人は、採れたて、出来立てが美味しいと思っている節があります。もちろんそのような食べ物もたくさんあります。しかし、時が経ってからのほうが美味しいものもあるのです。
例えば、緑茶は新茶が尊ばれるように新茶が一番美味しいというイメージはありませんか。そして実際にその通りだと思われていませんか。私が味を見る限りでは、確かに新茶は、香りに伴う新鮮さはありますが、味わい深さという点では半年位置いてからのほうが良いのではないでしょうか。
理想は若いうちに飲んでもその時期の良さを発揮し、しっかりと熟成してからもさらに良さを奏でるお酒だと考えています。と好き勝手な事を書いていますがそんなに簡単にはいかないですよね。
若いうちに潜在能力を秘めているお酒(例えその時点で美味しいと感じなくても)に出会うとワクワクしてしまいます。今年入荷した新酒の中にもそんなお酒がいろいろとありました。じっくりと待って花開く。そんなお酒がとっても好きです。
個々のお酒の飲む時期をしっかりと考えてあげればより美味しく皆様に御提供できると考えています。酒蔵から出荷した時点がすべて美味しい(美味しいとは、対個人に対してであるのでみんな違うかもしれません)とは限りません。別な言い方をすれば飲み頃とは限らないということです。
早咲き遅咲き
posted by sakeito
| 季(きせつ・しゅん)