日本酒に「生」という文字が書かれているのは何種類かあります。それぞれ違いがありますのでここで簡単に触れておきます。
まず最初に文中に「火入れ」という表記が出てきますが、「火入れ」とは、日本酒を63℃位で加熱処理をすることです。
通常出回っている日本酒は、この「火入れ」を2回行います。1回目は、お酒を搾った後。2回目は保管してあるお酒を瓶詰め出荷する時です。これらをふまえた上で。
1.本生:全く火入れをしていないお酒です。別名「生々」やただ単に「生」と表記されたりもします。
2.生貯:生貯蔵酒の略。生という言葉が入っているが、2回目の火入れは行っています。
3.生詰:これも生という言葉が入っているが、1回目の火入れは行っています。
4.生一本:生という言葉が入っていますが酒質には全く関係ない用語です。
というように「生」という言葉が入っていてもいろいろありますので、お選びになる際はちょっとだけ注意が必要です。だだし、火入れのお酒を含めてそれぞれにメリット、デメリットがありますし、好みもありますから一概に何が良いという事はありません。
また生酒は、生という言葉から想像される生鮮食品などの生とは捉え方をちょっと変えたほうが良いと思います。生鮮食品の生は、どんな保管状態であっても品質が劣化してしまいますが、日本酒は、生であっても保管状態さえしっかりと出来れば、ダメになってしまうということはありません。逆によくなる可能性も多いにあるのです。
開栓後はどうかといいますと、生酒であっても開栓後は、火入れのお酒と同じようなペースで飲んで頂いて結構です。ただし保管は、火入れのお酒よりも気を使う必要があります。