日本酒度とお酒の甘辛

日本酒度は、日本酒の甘辛を数値化したもので−の数値が大きくなるとより甘口で、+の数値が大きくなるとより辛口になります。

甘辛の判断の一つの指標にはなりますが、この日本酒度だけを頼りに判断すると−の表示なのに甘く感じなかったり、という事が結構起こってしまいます。

味わいに大きく影響する数値の指標として酸度というのもあります。この数値が大きくなると辛さを感じやすくなると思います。

しかし、これらの数字は、あくまでも判断基準程度に考えていたほうが良いと思います。もちろん、日本酒度+10のお酒と日本酒度−10のお酒があった場合、多分確実に+10のお酒の方が辛いですので、こんな場合にはとても参考になります。

さらに数字上では表せないもので、味わいに大きく関係してくるものに、そのお酒の熟成度があると思います。すべてのお酒がそうだとはいえませんが、熟成がすすむとよりまろやかになり、旨みも出てきたりしますから、舌に感じる味わいは柔らかくなる分辛味を感じにくくなります。

したがって同じお酒でも、搾ったばかりの新酒と1年寝かせたお酒では、甘辛という観点から見てもだいぶ印象の違いを感じます。もっとも厳密な意味でいうと造りの年が違うので、全く同じ条件の比較はできないのですけどね。

また、飲む温度によってもだいぶ違いますのでいろいろと試して飲むと楽しみが広がると思います。例えば40℃の御燗と50℃の御燗ではだいぶ印象も違うものになります。ましてや冷たい温度からであればなおさらです。
posted by sakeito | 味(あじわう)