フレンチなどのレストランにはソムリエという酒選人がいるのに日本料理の料亭には日本酒を選ぶ人がいないのはなぜなんでしょうか。もちろん今は置いているところもあると思いますが、制度として成り立ってきたのではないと思います。
それは、ワインと日本酒の特性に大きく関係していると思います。
ワインは、食材との反発がはっきりと出やすい飲み物です。例えばあるレストランRで、お客様Gが好き勝手にAの料理とBのワインをお客様HがCの料理とDのワインを頼んだとします。GさんとHさんのレストランRに対する味の評価が180度違う可能性が出てきやすいのです。なぜなら組み合わせによっては、料理もワインも美味しくなくなってしまう可能性が生じるからです。
レストラン側からすれば料理もワインも美味しかったと言って頂けるのが最高です。組み合わせによってはそれが可能なのです。そこでそれを補佐する為に歴史上ソムリエというシステムが発達してきたのだと思います。もちろん違う側面もあるとは思いますがね。
一方、日本酒はどうなのでしょうか。皆さんもいろいろな料理やつまみなどで日本酒を飲まれると思いますが、ほとんどの食材や料理で不味くなって飲めなくなることは、ほとんどないと思います。もちろん、厳密にはよりこちらが合うとかはありますし、ある程度相性もあるとは思います。
したがって、日本酒は1種類でほとんどの料理をカバーでき、冷たい温度から暖かい温度までそれぞれの良さがでるという懐の深さがあります。だから料理屋さんでは、あまり気にしなかったという側面があるのではないかと思います。
それが歴史上ソムリエが発達してきたのと、発達してこなかった理由の一つに挙げられるのではないかと思います。
ワインにはソムリエ 日本酒には?
posted by sakeito
| 洋(せいよう)