2001年4月 白扇酒造 岐阜県加茂郡川辺町

4月13日の早朝5時。諏訪を後にして一路名古屋に近い川辺町の白扇酒造へ向かいました。

まず、瓶詰めを行っている八百津の蔵へ。風光明媚な木曽川がすぐ隣を流れる、いつまでも眺めていたいような場所にあります。そして、造りをしている川辺町へ向かいました。

こちらの蔵は飛騨川が近くを流れていますが町の中にあります。白扇酒造は、日本酒、みりん、焼酎を造っていますが、日本酒は全て造り終え、みりんの造りの最中でした。
ちょうどこの日は、みりんの搾りをしている時で、「槽(ふね)」と呼ばれる昔ながらの搾り機に、2人で、もろみが入った酒袋を積みあげていき、上から圧力をかけてゆっくりと搾っていました。

搾られたばかりの「みりん」を飲ませていただくと、濁りのある白っぽい色で、初めて味わう不思議な味でした。甘みを含んだアルコールが舌の上をコロコロと転がってゆくような感じです。


ところで、みなさんは本来の「みりん」はどのように造るかごぞんじですか?
酒袋で絞るということは当然粕もでるので、これがみりん粕です。ねっとりとした酒粕(粘土に小さな米粒を混ぜた感じ)と同じで、ほんのり甘くておいしいです。
このみりん粕は、ほとんど粕漬の業者さんへ渡るそうです。

ゆったりとした時の流れの中で、一本筋の通った考え方で、流行に流されることなく造り続ける。だからこそ西暦1,500年頃より造られている「みりん」が今現在も残っているのだと思いました。

今の時代の中、こお白扇酒造の日本酒もみりんも特別な輝きを見せてくれます。これからも、こういうものを大切にしてゆきたいと思いつつ、帰路につきました。