2001年10月 田辺酒造「越前岬」初訪問

10月15・16日の両日、福井県松岡町にある酒蔵「田辺酒造」へ行ってきました。
銘柄名は「越前岬」。ある方のご紹介で、以前から行ってみたいと思い、夢にまでみた蔵への訪問が実現しました。

松岡町は昔、織物で栄えた町で、今も機織りをしている所があるそうです。近くには松岡城や永平寺があり、山々や田園が広がるのどかな町並の中に、歴史の趣を感じるとても心地よい風景です。

蔵に到着すると、田辺社長に迎えられ、早速タンクから出してきたお酒を唎き酒。華やかさはないが、じっくりと向き合うことのできる酒質で、熟成がやや遅いように感じられ、たずねると、やや硬水寄りの仕込み水とのこと。
白山連峰に源を発する伏流水だそうです。

酒談義のあと、蔵の中を見学へ。
和釜はレンガ造りで大小2つあり、大仕込用と小仕込用がありました。仕込蔵と貯蔵蔵は厚さ約20cmの土壁になっていて、外気温が30℃以上でも22℃位までしか上がらないとのこと。

昔の人の知恵はすごい。今も静かにお酒が眠っています。
搾りはすべて槽(昔ながらの手搾り)で3/4位地中に埋まっています。温度変化も少なく、作業もしやすいとのこと。
仕込み水も飲ませていただきましたが、後々にやや苦味の残るミネラル分たっぷりの味わいでした。

社長の人柄も相まって真摯な態度から造りだされるしっかりとした中に旨みが冴える味わい。普通酒でも十分満足できる味わいです。

帰路、近くの永平寺と名前の由来である「越前岬」へ行ってきました。ちょうど日没時だったので、海に沈む夕日に見とれて帰ってきました。