7月の上旬、新しい酒蔵へ行ってきました。すでに取扱いを始めているので、お口にされた方もいらっしゃると思います。
「磐城壽」という銘柄で、福島県浪江請度にある「鈴木酒造店」です。
鈴木酒造店は、300石程のほんとに小さな酒蔵で、敷地の端は、太平洋を望む防波堤です。現在、31才になる大介さんが蔵に入り、酒造りの陣頭指揮を取っています。
仕込水は敷地内から湧き出る伏流水。ちょっとしお辛いかな?
そして、良酒造りにかける意気込みがすごい。驚くべきことに300石の小さな酒蔵ながら、自家精米機を持っています。(この位の石数の蔵は外注がほとんどです)
また、すべての物資が発している波長を整えるといわれている電子イオンを発生させる装置も備えており、蔵の中が造りをしていない時にもかかわらず空気が澄んでいます。
造りは全て手造り。蒸しは「こしき」、麹は「こうじぶた」、搾りも全て「槽」で行っています。より良いお酒を目指し、来年度(平成15年度)から、大変手間のかかる杉の木製へと変えるそうです。
酒母に山廃元を使ったお酒をいろいろと出しているのもその一つ。
大介氏は、「しっかりとした味わいのお酒を目指し、香りと味わいのバランスを大切にしている」とのこと。
今流行の強烈な香りを出しすぎる味わいとはまた違った方向性を打ち出しています。
新酒あり、古酒あり、じっくり味が出るまで待つお酒ありと、造りによって様々な味わいと個性を持ったお酒です。
これからいろいろチャレンジしたお酒が出てきそうで楽しみです。
どうぞみなさまもお楽しみにしていてください。
2002年8月 磐城壽 鈴木酒造店
posted by sakeito
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