今年も酒造りの最中の蔵訪問へ。
まず1月20〜22日、福岡県八女市にある高橋商店「繁桝」へ行ってきました。
20日午後到着し早速蔵内へ。蔵へ入るとすぐ蒸し場。蔵人は明日の蒸米の準備で洗米。こしきの準備やもろみ管理、麹の管理と大忙し。
この時間、ちょうど搾りの中でも最も時間のかかる方法の「しずく搾り」をしていました。
小さめのタンクにもろみを入れた酒袋を吊るして自然にしたたり落ちるようにして搾る方法です。
1本のもろみのタンクを搾るのに吊るしてあるタンクは8本。チタチタと落ちてくるお酒を「斗瓶」といわれる18入りの瓶に取っていきます。
中澄みの部分を試飲しましたが、生まれたてとはいえ「おいしい」これで20%位のポテンシャルかな?!
時が経ち100%になったらすごい酒になるなと感じました。
この日は、この後、高橋社長とガスの残っている酒あり、もろみありの10種類位の搾られたお酒を前に酒談義。
翌日早朝5時。
再び蔵内へ。真っ暗な中にもうもうと蒸気が立ち昇っています。もうすでに蔵人は活気に満ちあふれていました。
蒸しあがったお米を「こしき」から取り出し、ザルに入れて持っていき「おしろ」を引いた上に広げて自然放熱。蔵人は走り回っている状態です。
対照的に蔵の片すみでは、1人の蔵人が斗瓶に取られたお酒を1本1本全て手作業で、静かに静かにオリ引きしています。
地面から底冷えする中での作業。根気と忍耐が要求されます。
蔵の中での静と動。この対照的な動きの中にお酒本来の姿があるような気がしました。
また一方では、昨日のしずく絞りの後の酒袋を槽で圧力をかけて更に搾ります。
そうです、この搾られたお酒が当店でも大人気の「大吟醸せめ生々」なのです。
今回は袋吊りとオリ引きを見ることが出来、とても感動しました。
このようにして造られたお酒が数多く入荷します。
とてもすばらしいです。
どうぞお楽しみに!!
2003年1月 福岡県八女市 高橋商店「繁桝」
posted by sakeito
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