日本酒は、冷たい温度から熱燗まで飲める世界でも大変珍しいお酒です。
ワインなどにもホットワインなどあるじゃないかといわれそうですが、「温めてさらに上手さが引き立つ」というのは日本酒くらいじゃないでしょうか。基本的にはお燗が出来ないお酒は、ないと思います。
もちろん人間の個性と同じように向き不向きは存在します。現在流通している日本酒のほとんどは、火入れのお酒。「火入れ」とは、お酒を62℃前後まで加熱する事です。もろみを搾ったお酒は、すべて生酒で火入れのお酒はそれを一度加熱処理するわけですから基本的には火入れ酒は、最低一度はお燗の経験をしてから出荷する事になります。
では、なぜ一様に生酒はお燗出来ないなどと言うのでしょうか。
これは私の考えですが、「生酒」をお燗するとほとんどのお酒がバランスを崩します。だからほとんどの酒蔵では、火入れ後2〜3週間位置いてお酒が落ち着いてから出荷すると思います。火入をしたお酒は、お酒自体が60℃以上の熱さを経験してきます。
それに対して生酒は、一度もその経験がないということからバランスを崩してしまうのではないでしょうか。
でも、なかには今年の春先に飲ませて頂いたしぼりたて生(石川県のある蔵のお酒)のようにお燗してもしっかりしているお酒もあります。
あまり既成概念にとらわれずにいろいろ試してみると意外な発見があるかもしれません。
温めてさらに上手さが引き立つ
posted by sakeito
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